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広報誌「やさしいまち」2024年7月号対談記事

 札幌市内における福祉3団体統合・合併(※1)から10年が経過しました。市域における福祉の推進という同じ目的を持ちながら、組織文化や風土が異なる団体が一つになることで様々な課題がありましたが、その一つひとつを乗り越えて、現在それぞれが培ってきた強みを活かしあい、札幌市の福祉をけん引する役割を果たすべく職員一人ひとりが誇りをもって日々業務に取組んでいます。

 
 令和5年度に、その誇りとも言える「基本理念」を改めて整理し共有することで、次の世代の職員に守り・伝えて行くために札幌市社会福祉協議会(以下「市社協」という。)では「5つの社協プライド」を策定しました。今回の特集記事では、これまでもこれからも変わらない基本の考え方を繋ぎ、市社協は将来どのような姿を実現しようとしているのかについて、本会の経営層である部長職の職員が想いを語りました。

 対談記事は広報誌「やさしいまち」2024年7月号に掲載されておりますが、紙面の都合もあり全ての内容を載せきれませんでした。ホームページ版では残念ながら広報誌ではお伝えできなかったちょっと深いお話も含めて、鼎談の全てをご紹介します!

▲(左から)長谷川博子地域包括担当部長、佐藤理良在宅支援推進部長、佐藤聡総務部長、小松祐司事務局次長、
大石純地域福祉部長、和野巧実施設福祉部長

「組織を強くする」
 札幌市社協の未来を語る~5つの社協プライドと福祉人材の確保~

佐藤(聡) 福祉3団体の統合・合併当初掲げられた「地域福祉、在宅福祉、施設福祉の多様なサービスを展開する3団体が一つとなって、札幌市における福祉サービスの「最後の砦」としての意識を持って、誰もが安心して暮らせるよう地域福祉を総合的に推進していく」という目的は、月日を経て現在有機的に機能し始めているのではないでしょうか。
 本会ではここ数年で人事交流が活発に行われ、オール社協としての様々な取組が行われています。
 昨年9月に策定した「5つの社協プライド」は、市社協が、今日まで大切にしてきた組織文化を再確認・再構築したあくまでも職員に向けたものですが、市民の皆さまに対しても「札幌市社協の誓い」として整理し直しています。
 こうした想いを大切に守り続けた先に私たちの目指すべき姿が見えてくるのだと思います。



大石 ここ数年、地域を取り巻く環境は大きく変化しています。人手不足、なり手不足は深刻化し、町内会や老人クラブ、民生委員の活動など地域を支える活動に大きな影響を及ぼしています。地域コミュニティの機能、地縁組織の機能が発揮しきれていない現状を実感しています。
 IT技術やSNSが普及して、「つながり」方が変わってきています。それでも身近なところでの「つながり」がなくなることはなく、むしろ市社協は、歩いて行ける範囲での「つながりづくり」の支援に、更に力を入れるべきだと思っています。
 「社協の限界が支援の限界ではない」という言葉があります。地域の課題は、市社協だけで解決するのではありません。市社協がプラットフォームとなり、様々な人や団体が参加し、つながることによって、生まれる「新たな力」で乗り越えていくことが、これからは、本当に必要なのだと感じています。


和野 令和2年初頭から始まった新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月に感染症法上の5類に移行となり、社会活動は活発に動き始めました。人の動きに制限がなくなることで、経済や地域活性化の観点からは喜ばしい一方で、地域における孤立や孤独、認知症高齢者の増加など福祉を取り巻く環境は変化し続けており、市社協が掲げる「福祉的な困りごとを抱える人をゼロに」という使命を果たしていくためには、時代の変化に伴うその時々のニーズに合わせた事業展開や支援体制の構築に組織全体として取り組んでいかなければなりません。
 私たちが「今できること」はまだまだたくさんあります。そしてそれは各部門の専門性やノウハウを生かしながら事業での連携やPRをもっと横断的に取組むことでさらに広げることが可能であり、それこそが市社協の強みの一つでもあります。



佐藤(理) まだ、3団体の統合・合併が行われるずっと以前に、3つの団体が同じ建物に入居していた時期がありました。そのころから地域での見守りの相談やボランティアの相談、デイサービスの相談など、自然と事務所を行き来していた記憶があります。
 利用者本位の考えに立った質の高いサービス提供を目指すためには、介護保険制度の枠の中に留まらず、地域との関わりが不可欠です。そうした意味では地域の支え合いのしくみづくりを仕事とする市社協は在宅福祉サービスにおいても大きな役割を担っていると言えます。
 組織内の介護保険サービス部門と地域福祉部門、さらに活動の場となる拠点を管理する施設福祉部門が連携することで、市社協ならではの支援を展開し、相談してよかったと言ってもらえるような組織を作っていけたらと思います。












長谷川 「札幌市社協の誓い」に「住民主体」という言葉があります。様々な専門職やノウハウを擁する市社協が「チーム社協」として地域に暮らす住民のニーズを的確に把握し、誠実かつ真摯に対応していくことが、組織としての信頼につながります。
 地域の課題や支援の手段は、社会的背景によって日々変化します。ただ、「安心して暮らし続けたい」という人の根本の願いが変わることはないのだと思います。地域に近い存在であり続ける私たちは地域と共に進みながら住民に寄り添った支援を行うことができます。
 総務部で実施している職員満足度調査の結果を見ると、市社協は所属職員の満足度が高い組織であることが分かります。職場環境にも満足と答えている職員が多いという結果は、良好なチームワークを生み出し、事業展開にも好影響となります。職員を大切にする組織風土は継承していくべきでしょう。












佐藤(聡) 今年度は第4期経営計画の始期となります。この中で、使命の達成を目指すうえで今後改善していかなければならない課題として、「広報・PR活動の強化」、「人材の確保と定着」、「収支構造の改善」を掲げております。この3つの課題は、皆さんに語っていただいた市社協の未来に向けて避けては通れないものですが、お話の中に少しずつヒントが散りばめられていたようにも感じましたので、そのあたりをもう少し深めてみたいと思います。 


大石 人材確保に直接つながるわけではありませんが、「社協だけではできないことも、多様な主体とつながることで解決できる」という考え方は一つの社協らしい答えではないかと思います。
 また、小学生や中学生、高校生に向けた福祉教育は、将来の福祉の担い手確保に間接的にではありますが、つながる重要な事業の一つと言えます。

 











佐藤(理) 福祉教育は各部署で連携して積極的に取組んでいくべきだと思います。在宅介護に携わる部門としては、未来を担う若い世代だけでなく、家族の介護に悩んでいるような方へも少しでも力になることができればと考えております。例えば町内会向けや企業向けなど幅広く介護の知識や技術を伝えていきたいと思います。
 このように、市民の皆様と関わっていくことで、皆様から信頼される団体となり、「地域福祉を担う一員になりたい」という声が増えることを願っております。
 


 











和野 老人福祉センターには地域の方が多く来館されますので、地域向け講座などの会場としては非常に恵まれた拠点です。
 つながりづくりの場として活用いただけることはもちろんですが、そうした取組を内部で連携して実施することで組織強化にもつながります。


 











長谷川 地域包括支援センターや介護予防センターは、日頃から老人福祉センターと様々な場面で連携を図っています。協力して事業を実施することもありますし、それぞれの利用者のより良い生活のために、本人了解のもとで情報を共有して、支援につなげることも少なくありません。


 











佐藤(聡) 福祉人材の確保という観点から言うと、組織としての課題というだけでなく、社会全体としての大きな課題でもあります。
 市社協は、今年の3月に「人材育成基本方針」を策定しました。組織として戦略的に人材確保・育成に取り組んでいくことは、経営という視点から当然疎かにできませんが、他の法人と異なるところとしては、市社協は札幌市域全体の福祉人材の確保についても考えていくことが求められる団体であるということです。これについては、例えば「広報・PR活動強化」の一環として、福祉職のイメージアップの取組など、他の福祉関係機関・団体や行政とも連携しながら検討してまいりたいと思います。


 











小松 福祉分野における将来の想定は、どちらかというと暗いイメージが先行しているように思います。その中でいかに市社協がその役割を果たしていけるか。本日の対談はそうしたお話であったのではないかと思います。
 市社協はこれまで人に寄り添った支援に努めて参りました。これは言い換えると「人を大切にしてきた」ということです。この考えを大事にして継続してきたことで、手に入れてきた信頼こそが市社協の価値であり、市社協らしさと言えるものだと思います。
 継続するということは簡単なようで、とても難しいことですが、これまでの取組も大切にしながら、着実に一歩一歩進んでいく先にある未来は、明るく輝かしいものであると確信しています。












 

≪札幌市社協の誓い≫

 本会は使命達成のために、活動計画や経営計画、各事業方針等に基づいて地域支援から個別支援、地域福祉や施設福祉から在宅福祉まで幅広く事業展開していきます。
 その際に、以下のことを大切に心がけながら行っていきます

 1.地域住民や関係団体との信頼関係を大切にします。
 2.住民主体や利用者本位の支援を第一に考え、誠実かつ真摯に対応します。
 3.常に質の高いサービスを追求し提供し続けます。

※1 福祉3団体統合・合併
   札幌市社会福祉協議会は、平成25年に札幌市在宅福祉サービス協会と再編・統合、翌26年
  に札幌市社会福祉事業団と合併しました。

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